スペシャルティコーヒーとは何か?
スペシャルティコーヒーの語源は、1978年にフランスのコーヒー国際会議でアメリカのエルナ・クヌッセン女史が使用したのが最初です。その概念は、『特別の気象・地理的条件がユニークな香気を持つコーヒー豆を育てる。』という事を基本としています。その後、その基本概念を継承して、1982年にSCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)が設立されました。1982年に作られた初期の定義は6項目でした。
初期の定義(1982年)
- 深い焙煎度のコーヒー
- 生産国名をつけたコーヒー
- 地域密着型コーヒー
- カフェインレスコーヒー
- フレーバーコーヒー
- 有機栽培コーヒー
その後、定義の変更、修正を重ね、1996年に導入されたSCAAの定義は下記のものです。
『スペシャルティコーヒーは、際立った素晴らしい風味で、欠点の無いコーヒー』
では、際立った素晴らしい風味とはとは何か?
『味』『酸味』『ボディ』『アロマ』の内の1つ、又は2つ以上の項目に、独特の特性・特質を示すものでなければならない。と同時に、風味に一切の欠点・汚れがあってはならないということです。
例えば、風味に欠点が一切無くても『味』『酸味』『ボディ』『アロマ』に独特の特性・特質が何も無いコーヒーは、スペシャルティコーヒーとは呼べないわけです。
スペシャルティコーヒーの評価には、従来のブラジル方式などの品質評価基準は通用しません。従来のブラジル方式は、滑らかさ、やわらかさ、甘さ、飲みにくさを基準として評価、格付けすると共に、クレーム回避が優先事項となっており、欠点チェックが最重要視されています。しかし、欠点の無いコーヒーが素晴らしい風味を持っているか?と問われれば、それは全く別の問題なのです。滑らかで、やわらかく、スッキリした風味のコーヒーでも『際立った印象の風味の特徴』を持っているか、『ユニークな素晴らしい風味』を持っているか、『繊細な酸味の特徴』を持っているかは別の問題だからです。
スペシャルティコーヒーの定義にある『際立った素晴らしい風味』を具体的にすると、下記の7項目の分類で評価されます。
1.カップの爽やかさ、きれいさ
2.後味のほのかな甘さ
3.繊細な酸味の特性
4.素晴らしい口に含んだ重量
5.味と香りの印象度、特性
6.後味の印象度、複雑さ
7.全体のバランス
スペシャルティコーヒーとは何か?と問われれば、やはり『スペシャルティコーヒーは、際立った素晴らしい風味で、欠点の無いコーヒー』としか答えられません。これ以上でも以下でもない。この言葉が全てです。